歩き旅に行こう

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のんびり散歩の備忘録

初声のキャベツ畑 長井~油壷その3

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海岸沿いには進めないようなので、初声(はっせ)の住宅地を歩いた。

緩やかな坂道だ。

軽トラック一台が通れるくらいの道を歩いていると、何やら急に香ばしい臭いが。

 

目を凝らす。

 

なんと茂みのすぐそこ、何頭もの黒い牛が闊歩している。

 

飛び上がって逃げてしまった。

心の準備がないもの。

有名な葉山牛だろうか。

こんな路地でまさか、遭遇するとは思うまい。

 

 

その勢いで急こう配の坂道を登っていく。

 

 

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劇的に広がったのは、広大なキャベツ畑。

 

 

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名産の春キャベツだろう。

若いころのことを思い出して、しばしこの、畑の真ん中で立ち止まる。

住み込みをして農家で働いていた時期があった。

 

 

畑を造成するところからお手伝いをして、BB弾みたいな種から苗をつくり、ひとつひとつ手で植えて、鶏糞の山から肥料をつくる。

シカやイノシシ、天候から畑を守り、日々収穫に追われ、時には自分たちで街まで卸しに行くこともあった。

つらいことも多くて、夜、真っ暗な千曲川のほとりで泣いたこともある。

 

それでも、あれから土いじりの楽しさを忘れたことはない。

『朝遊び』という概念を持ってから、あのころの生活リズムに近くなっている。

 

 

 

海があって、畑もあって、ときどき牛までいて。

小高いところでは、畑の向こうに海が見えかくれする。

 

三浦半島、好きになっちゃったなあ。

 

 

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荒崎の岩礁を歩く 長井~油壷その2

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見上げた。

ぺたぺたと触ってみる。

地層のレールがどこまでも、シームレスに延びていく。

自然のトンネルをくぐって石橋を歩いた。

 

荒崎弁天島はすぐそこだ。

 

 

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波がばしゃんと飛び散った。

その上をぴょんと、向こうの岩まで飛びうつる。

潮が満ちてきたら戻るのが大変かもしれない。

 

 

やがてちょっとした入り江に到着。

 

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私有地のような雰囲気があってどきどき。

奥に階段がある。

急こう配で幅も狭く、すれ違いはできそうもない。

 

 

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その先はかねしち丸水産がある小さな港。

漁師さんも忙しそう。

このまま海岸沿いに佃嵐崎へ抜けられるようなのだが、邪魔になってはいけないので迂回することにする。

 

 

 

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和田長浜海水浴場はボートを楽しめるほど穏やかな浜だった。

潮の引いた岩場でウミウシを発見。

 

 

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初めて本物を見た。

おおきなナメクジのようで愛らしい。

伸び縮みする様子をしばらく楽しむ。

 

かわいいね。

 

 

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荒崎公園で目覚める 長井~油壷その1

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三浦半島一周、三日目。

きょう目指すのは油壷だ。

 

前回パニックに陥り(長井で迷子 葉山~長井その2)どこまで歩いたのか分からなかったため、撮った写真とストリートビューを照らし合わせてスタート地点を割り出した。

長井港のあたり、藁をもつかむ思いでたどり着いたバス停は京急バス「新宿」というのだそう。

 

なので今回は「新宿」からスタート。

旅のルールはちゃんと守る。

 

 

朝七時半ごろに到着。

バス亭で降りたのはわたしひとりだ。

 

 

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海沿いの道をはさんで船と民家が連なる。

漁師夫婦とその二代目だろうか、黙々とわかめの天日干しをしていた。

磯の香りを深く吸って、犬と散歩をする老人をやり過ごす。

 

当たり前だけれど、人様の暮らしにお邪魔しているのだと感じる。

 

 

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 しばらく道沿いに歩いていくと荒崎公園に出た。

夕日の丘ではタカアシガニの像がお出迎え。

どうやら先日通った長井港で水揚げされるらしい。

 

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眼下に広がる岩礁に降りていく。

さながらゴジラの背中のようで、歩かずにはいられない。

夢中で、あしもとを確かめながら進む。

 

そして紆余曲折、来た道を振り返った光景。

 

 

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岩礁歩き、はまりそう。

 

長井で迷子 葉山~長井その2

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佐島漁港を通り過ぎ、そのまま213号を進むとあっという間に山道の雰囲気となる。

途中、山を切り崩していたのだが、地層がバウムクーヘンのように美しい。

この美しい地層が三浦半島を南方に下るにつれて海岸に表れ、わたしは後に、それに魅了されてしまうのだった。

 

佐島隧道を越えるとふたたび馴染みの134号へと出るのだが、こちらはすっかり街の中といった様子だ。

自動車の走る様子や道路工事、延々と伸びる自衛隊駐屯地のフェンスにすっかり疲れてしまい、「なんでこんなところ歩いてるんだっけ?」という気分になる。

 

 

きょうはすでに足が相当に痛んでいた。

休憩ポイントをうまく見つけられずに、なんとか富浦公園に辿りつく。

海岸はゴミだらけ。

老婆がりんごを丸かじりしていた。

 

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あまりに疲れていたのでコンビニのおにぎりを食べた。

普段は昼食を食べないのだが、きょうはどうにも力が出ないのだ。

そしてこれからのルートを調べようとスマホを手に取ると、画面には大きな電池マークが。

 

 

充電切れ。

とうとうやってしまった。

きょうは特に、秋谷から佐島あたりでGoogleマップに頼りきりだった。

 

 

パニックになってとにかく歩いた。

とりあえず海岸沿いの通りを行く。

あまり大きくない道がうねうねと続く。

帰路に着く予定時間も過ぎそうだ。

 

すこし視界が開けると、どこまでも同じような光景が伸びていた。

 

 

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とぼとぼ歩く。

 

と、小さなバス停があった。

 

行き先、三崎東岡。

そうだ、きょうは三崎口がゴールだった。

東岡がどこかは知らないが、「三崎」というからにはここより近くに行けるはずだ。

 

 

夢中でバスに乗る。

路線図がどうやっても読めない。

じぶんがどこで乗ったのか、そもそも三崎東岡すら見つけられなかった。

とにかく終点まで乗ろうと腹をくくった。

 

 

すると車内の案内掲示板に「三崎口」の文字が。

イヤホンを外して「次、停まります」のアナウンスを聞いたとき、ほっとして泣いてもいいんじゃないかと思った。

 

  

 

 

こうして無事に帰宅。

身体に変調を感じて熱を計ると38度4分あった。

 

もう少し計画的に動こうと思う。

 

少なくともスタート、ゴール地点への行き方や路線は調べてメモにしておくことに決めた。

総距離も15km以内に収めないとわたしの足には厳しいようだ(きょうは約18km)。

また日中と朝の寒暖差が大きいため、服装にもじゅうぶん注意したい。

あとはモバイルバッテリーを持っていくこと。

 

  

反省の多い二日目。

じぶんの身体、電池の持ちなど何かとデッドラインが見えたことが、今後のためには良かった。

 

【二日目のルート】

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佐島へ 葉山~長井その1

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三浦半島一周、二日目。

どんよりとした空色でスタート。

きょうは京急三崎口駅を目指す予定だ。

出発地、葉山御用邸に着いたのは七時前。

この時期(三月下旬)の朝はまだまだ寒い。

 

134号に沿っていくと、じきに長者ヶ崎が見えてきた。

下に降りる道は見つからない。

現在は立ち入り禁止とのこと。

しばらく高い位置から海を見下ろして歩く。

 

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途中、廃ホテルの脇道から海に降りた。

海岸は砂というよりは小石のようで、ざくざくと深く足をとられる。

しばらくしゃがみ込んで波の音を聴いた。

だれかが残した痕跡に、いったい何の跡なのかと頭を悩ます。

 

 

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佐島のあたりに「海辺」という食事処がある。

 

実は今回の歩き旅のなかで、どこかで新鮮な地元の魚料理を食べる、という目標を立てていた。

外食のできないわたしとしては大きなチャレンジであって、そのための下調べを入念にしていた(これについては後日書きたい)。

その中の候補のひとつがこの「海辺」であったのだが、きょうはさすがに時間が早過ぎた。

おそらく店主だろう、ようやく準備を始めたという雰囲気だったので先に進む。

 

 

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佐島漁港。

午前中の深い時間だからなのか、それとも天候のせいなのか、静けさが漂う。

 

 

この先は陸上自衛隊の武山駐屯地。

迂回するためにしばらく海沿いから離れる。

残念ではあったが、結果的に三浦半島の面白さに気づくきっかけになった。